傷ついた あの日の僕自身を回収していく旅路

 基本的に貯金が嫌いだ。これまでの人生では宵越しの金は持たないように生きてきた。そして、そのお陰で、数々のピンチを迎えることもあった。しかし、そういったピンチを迎えても、取り立ててその原因を追及することも、その習慣を変えることもしては来なかった。

 そうしてきたのは、貯金が嫌いな明確な理由が分からなかったからなのか、そこに問題意識すらなかったからなのかは分からないが、今朝その理由が分かった。答えは子供の時に感じた感情を守る為だった。

 それは、2年生か3年生の秋、実家の目の前にある神社で行われるお祭りでのことだった。焼きそばや、ジュース、杏子飴、わた飴等をひとしきり食べ終えた後、おもちゃ屋さんで1500円のピストルを見つけて、買ってくれと母親にせがんだ。しかし、母親はありがちに「もう、いろいろ買ったでしょ!」と一切取り合ってはくれない。そこで僕は「お年玉で買うよ!」と言った。年中さんから貯めていた貯金は確か、5万円はある!

 ところが母親は「もう無いわよ!」と言った。僕は驚愕して「そんなことないもん!貯金して何も買ってないもん!だって、銀行に預けて使わないで取っておいたんだもん!」というようなことを言った。母親は確か「服とは買ったでしょ!」とかなんとか言ったが、それは自分の意志で買ったモノではないから全く納得がいかない。そして心底思った(僕のお金が取られた、預けておいたのに勝手に使われた!2度とお金なんか預けるモノか、銀行も人も信用するものか!)

 それからというもの、貰ったお金はすぐに使った。親には一切預けず、全て使いきった。僕は自分の中に居る、2年生か3年生の秋に傷ついた感情を守るためにも、貯金という行為をしなかったのだと思う。しかし、もう大丈夫。やっと貯金が出来る。だって、その時の自分を認めて、抱きしめて、愛していくことにしたからね。

 だって、小学生が一生懸命貯めてたお年玉取られちゃうんだよ!なんて可哀そうだったんだろう2年生か3年生の僕。そして、これまでその時の悲しみに打ちひしがれた自分を、押し入れに閉じ込めて無視して来たんだもん。その結果が、貯金をしないという現象の現れ。これからはVIP待遇で最高に愛してあげようって思う。

 また、これからこうやって悲しみや、苦しみを抱えた自分を一人ずつ探して、お風呂に入れて、ご飯を食べさせて、同じ部屋で暮らしていこうと思う。もう2度そういう感情を無視する為の行為はやめよう。決して、どこかに閉じ込めたり、追い出したりしないよと思って止まない。
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by alchimista01 | 2013-09-06 22:47 | 一思案

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